Archive for 最近の研究論文と視察報告

【2021年9月 】台湾工作機械産業におけるエコシステムの発展(工業経営研究)

Since 2000, we can find 1) the development of modularization, 2) the introduction of information platforms within factories, and 3) the trend of the next generation of the tool machine industry in the international market, especially in the China market, which is oriented to customer value.

Based on the above development new trend of Taiwan machine tool industry, this study examines the main factors for the high flexibility and efficiency of Taiwan machine tool industry based on the development and evolution of Taiwan machine tool ecosvstem.

Therefore, we will conduct a basic discussion on theories related to industrial network theory and ecosystem theory, and through the results of the author’s long-term participation in field research, we will conduct an in depth analysis on the formation of the machine tool ecosystem and how to create customer value.


Based on the above, the tooling ecosystem in Taiwan can be summarized as follows: Firstly, the emergence of complementors with professional module manufacturers maintains the existing horizontal division of labor chain. The next step is the emergence of companies that offer platform, and professional component manufacturers based on ICT, which are moving toward the realization of customer value creation.


Key words:Taiwan machine tool industry, industrial network, ecosystem, complementor, platorm

台湾工作機械産業におけるエコシステムの発展(工業経営研究)

【2018年8月 】リーン的経営哲学からみた開発・製造システム(工業経営研究)

要約

リーン的経営哲学とは開発、生産や販売サービスなどの経営プロセスにお

けるムダやトレードオフを解消するために衆知を生かす知恵や原理である。

本稿はグローバルなリーンシステム応用の視点から分析の枠組を提示し、マ

ツダのエンジン開発およびメキシコ工場の事例研究を行なった。そこでは意

識革命、良い流れを創る方法の学習・実践、組織的適応という三つのプロセ

スとその循環が有効な枠組であることを明らかにし、海外においてはあまり

見られない理念やビジョン志向、実践志向、目に見えない組織的な適応志向

をインプリケーションとして挙げている。

リーン的経営哲学からみた開発・製造システム(工業経営研究)

【2018年4月 書籍】台湾におけるパナソニックと地場サプライヤーとの協力関係

【2018年4月 書籍】

台湾におけるパナソニックと地場サプライヤーとの協力関係

レッツノートとタフブックの価値作りの底力を探る

劉仁傑

パナソニックのレッツノートとタフブックは発売20周年を迎え、連続15年間、強固型PCの世界トップの座を占め続けている。強固型というニッチ戦略、B2Bを中心とするソリューション指向、日本と台湾にしか製造拠点を持たないという非常識とも言える価値作り戦略の特徴が見られる。本論文はこれまでほとんど注目されていなかったパナソニックのノートパソコン事業を支えてきた台湾拠点とカバー、LCDタッチパネル、絶縁テープ、プリント基板、プラスチック部品などを提供する6社の台湾サプライヤーを取り上げ、これらの生産協力関係に焦点を当て、台湾におけるパナソニックと地場サプライヤーとの協力関係の特徴を明らかにするものである。パソコンと言うよりも自動車での日本的生産協力関係に近いこと、QDCという納期の側面や柔軟性がそれ以上に重視されていること、共創というニューコンセプトとしてまとめられることなどの特徴を指摘することができる。

キーワード:パナソニック、パソコン事業、サプライヤー、協力関係、台湾

  • この論文は下記の書籍の第5章として出版することになりました。

螢幕快照 2018-03-30 下午3.26.21

東アジアにおける製造業の企業内・企業間の知識連携

―日系企業を中心として―

板垣 博 編著

 ISBN978-4-8309-4991-3 C3034 

 A5判ソフトカバー 238頁 本体価格:3000円(税込価格:3240円)

 

【2016年8月 】生産財における組織間のリンケージ・バリュー

【2016年8月 】

Ⅰ.はじめに
野村(2015)によれば、リンケージ・バリューはリンケージによって新しい価値を見出すことであり、二つの組織の重なったところで価値が生まれる。また、その価値をいくつかのタイプに分けることができると指摘している。こうした研究の背景にはグローバル化による市場拡大を重視した戦略が飽和状態にあると指摘し、リンケージ・バリューの形成システムを理解することは、自ら顧客を開発して企業活動をする時代に入ってきている現在では、重要な解決策を見出すことができると見ている。(野村、2015)

【2016年8月-】生産財における組織間のリンケージ・バリュー

【2016年6月 交流】日台企業間協働の持続的発展:中国での20年間の協働の回顧

【2016.06 交流】

Ⅰ.日台企業間の協働の発展

台湾と日本の間では、1960年代以降、電機・IT産業、自動車産業、食品産業などの製造業で、単独進出、共同事業、OEM、共同生産・販売・技術開発などの提携が行なわれている。経営資源の相互補完関係を目指した企業間の協働が発展してきたのである1。特に1990年以降は、(1)中国の経済成長に伴い、中国での台湾企業の優位性が認められるようになったこと2、(2)2005年以降の円高の進行、(3)2013年に台湾と中国のECFA(両岸経済協力枠組協議)が本格的にスタートしたことにより、中国を含む新興市場、さらには世界市場を見込んだ協働が幅広い分野で進められるようになった3。 Read more

台湾におけるモノづくり革新 -分業型協働から共創型協働へ-

【2016.03.31工業経営研究】

Over the past decade, facing severe business environment changes, especially the impact of fierce competition in China and other emerging countries, the continued challenge manufactures innovative Taiwanese companies are gradually attracting attention. Recent innovation theory is constantly emphasized the importance of research and development, joint development, co-production and joint marketing with external organizations through collaboration. Concrete presentation is modularization in design or production. Read more

モノづくりの共通認識」から生まれた日台企業間の『共創型提携』

【2016.03.30 日本交流協會】

2012年後半から2013年にかけて、あるニュースが日本と台湾の新聞紙上を飾った1。それは、日本の老舗工作機械メーカー「和井田製作所(以下、和井田)」と台湾の大手新興工作機械メーカー「友嘉實業(FFG;以下、友嘉)」が合弁で「和井田友嘉精機」を設立するというものであった。この提携は、伝統型産業の台日合弁で最大の提携のひとつであると同時に、ECFA(中台経済協力枠組み協議)発効後の工作機械分野での最大の提携として注目されたのである。 Read more

【2015年2月】工作機械產業の事例

日台ビジネスアライアンスのフロンティア    交流 2015.2 No.887

台湾・東海大学教授 劉仁傑

I、はじめに

1960 年代以降、日台の企業間では生産資源の相 互補完関係を目指して、電機・IT 産業、自動車、 食品産業などの様々な製造業の分野で単独投資、 共同事業、生産・販売・開発などの提携や協働が 行われてきた。そのような産業とは異なり、工作 機械産業では提携や日本企業の台湾進出はそれほ ど多くなかった。しかし、最近は台湾と日本の工 作機械企業間の共同事業や日本企業の台湾進出が 増えるようになり、新しい提携の動きが見られる ようになった。 それに加え、台湾のユニークな優位性に基づき、 必ずしも中国での活動を前提にしないアライアン スも現れている。例えば、中国における販売ネッ トワークや生産工場に加え、効率的に量産を行う 台湾企業のノウハウ、台湾における発達したサプ ライヤーのネットワーク、生産革新に関するモノ づくりの基本的な価値観や姿勢が日本の企業から 注目されている。 Read more

価値創造型製造モデルに向けて :ミャンマー、台湾と日本の事例研究

工業経営研究学会『グローバリゼーション研究』Voi.10 No.1, pp.67-82, 2014年9月

台湾·東海大学  劉仁傑

要旨

2012年以降、製造業のアメリカへの回帰は国際経営の最重要議題となっている。本稿はグローバル経営の激しい変化を背景にして製造モデルの分析枠組を提示し、ミャンマーのWOF、台湾の崴立機電と日本の高松友嘉等三事例を以て検証を加えた。本稿は理論的実証的研究に基づいて、コスト削減型と価値創造型製造モデルを明らかにすることができ、さらに価値創造型製造モデルへ向けての製造モデル発展の理論を、意識改革、顧客価値提供能力と組織能力構築と三段階にまとめることができる。最近の日台ビジネスアライアンス、特に日本と台湾における日台合弁拠点の運営には価値創造型製造モデルが支持され、台湾と日本における製造企業の将来が垣間見える。

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日台ビジネス アライアソスにおけるハブ企業の生成-工作機械メ―カーのケ ーススタデイー

劉仁傑 2013.10

日台ビジネス アライアソスにおけるハブ企業の生成-工作機械メ―カーのケ ーススタデイー